2014年03月14日

春一番のちょっとした文章作法のお話

今日はホワイトデーですね。編集Oです。

そんなしゃらくせぇイベントは置いといて、今日は小推敲の際のポイントについて書いていきたいと思います。
小説はストーリーやキャラクターも重要ですが、より良いものに磨き上げるには、もちろん文章も重要です。
作品を書き上げたら、じっくりと推敲することも重要な作業です。





■基本                          

1.三点リーダー、ダッシュ

三点リーダー「……」とダッシュ「──」の使用については明確な規制はないのですが、2つ続けて使用するのが慣習になっています。

三点リーダーの代わりに、中黒で「・・・」と書いたり、読点を「、、、」と続けたりするのはNGです。
ダッシュも間違えてハイフン「-」や長音記号「ー」を使ってしまうとややこしいことになります。


2.読点、句点

読点をあまり入れずに文章を書いてしまうと読みにくくなってしまうというのはいまここに書かれている文章を読んでみてもわかるとおりだと思います。
文章の息継ぎ、ということを意識して、的確に読点を打つと、読みやすさはアップします。

また、一文が長くなってしまうのも避けたいところです。流れるような長文が気持ちよさを生む場合もありますが、「意味がわかりづらい」「主語と述語が迷子」になってしまっているならば、句点で区切ると無難です。

また、かっこで囲まれた台詞の最後には句点を打たないのが現在の商業出版での主流です。
「まぁ、こんなふうに、台詞の最後には句点は打たないんだ」


3.感嘆符と疑問符の後には全角スペース

感嘆符「!」と疑問符「?」の後には全角を入れます。
「感嘆符と疑問符の使い方? そんなものは知らん! 知らんよ!!」


■推敲                          

1.てにをは

文章を組み立てる接着剤のような役割をしているのが「てにをは」です。
「は」「が」「を」「に」「の」「も」などがこれにあたります。

「私が書く」
「私は書く」
「私も書く」
「私を書いた小説」
「私の書いた小説」
「私に書いた小説」

これら一文字を変えるだけで意味が変わってきます。意味はわからずとも、その文章が持つニュアンスが変わってきます。文章の中で何を伝えたいのかを意識し、「てにをは」を用いることが肝要です。

また、文章の繋がりにも関係してきます。


2.代名詞を使い過ぎない

代名詞「それ、これ、あれ、彼、彼女」など、代名詞は使い勝手がいいだけに多用しがちです。知らず知らずのうちに使ってしまっている場合は、意識的に削ってしまいましょう。
多くの代名詞は、固有名詞を書いたほうが良いです。取ってしまっても問題ないことも多いので、「代名詞が何の代わりなのか」を意識して使用することで、文章のシェイプアップをすることができます。


3.表記統一

使用する漢字の統一はなかなか難しいですが、自分で意識してルールを決めておきましょう。

「書き込む」「書きこむ」
「書き出す」「書きだす」
「付き合う」「つきあう」
「~な時」「~なとき」
「~の通り」「~のとおり」

これはごく一例です。
ちなみに編集Oは「ひとり、ふたり」と書くか「一人、二人」書くかよく迷います。

数字表記の統一ルールも定めておきたいところです。

二十歳/二〇歳/20歳

十二月/一二月/12月

百円/一〇〇円/100円

縦書きの小説の場合、漢数字(一、十、百)が原則ですが、場合によってはアラビア数字(1、2、3)で表したほうがわかりやすくなります。

100メートル、1000グラム
などの数値を現すものはアラビア数字で表しても良いかもしれません。
ただし、「数値はアラビア数字」というような統一のルールを設け、他と混在しないようにしなければなりません。


かっこの使い方にも注意が必要です。様々な種類を無意味に使用すると、ごちゃごちゃしてわかりづらくなってしまいます。

「かぎかっこは台詞」
『二重かぎかっこは、物の名称と電話での声』
(丸かっこは補足やモノローグ)
《二重山かっこ》は能力名
〝ちょんちょんは強調したい言葉〟

上記のようにルールを定めておくと良いでしょう。

※「〝〟」はダブルミニュートとも言います。「“”」と書くダブルクォーテーション(引用符)とは別物です。
ダブルクォーテーションは縦書きでは使用しません。


どうでしょうか。これらを意識するだけでも、文章を磨くことができると思います。
もちろん表現についての推敲はこれだけで済むものではなありません。「もっと良い言い回しや台詞はないか」「二重表現をしてしまっていないか」「文章の中で同じことを繰り返してしまっていないか」など、注意を払ってみてください。


長々と書いてしまいましたが、現在第5回『このライトノベルがすごい!』大賞は2次選考が進行中です。
恐縮ではありますが、1次突破の皆様は、もうしばしお待ちくださいませ。


それから、来週には以前に書いた“嬉しい情報”をお話できると思います。


終わりだよ~。

---------------------
http://konorano.jp/bunko(このラノ文庫公式)
http://konorano.jp/(このラノ大賞公式)
https://twitter.com/konorano_jp(このラノツイッター) 
 


konorano at 22:41│TrackBack(< $ArticlePingCount$>) このラノ大賞 

トラックバックURL

最新記事