2010年08月25日
暴走妄想
『このラノ』編集部のSです。
受賞作の編集作業も一段落し、編集部もかつての落ち着きを取り戻した……かと思えばさにあらず。
ここからは、いかにして読者の皆さんに作品を手に取ってもらうかを考えていかなければいけません。
どんなにおもしろい作品でも、手に取ってもらえなければないのと同じ。
刊行まであまり時間はありませんが、一人でも多くの読者に手に取ってもらえるよう、
できる限りのことをやっていきたいと思っています。
と、珍しくかっこつけてみたところで、さっそくその「できる限りのこと」のひとつを。
先週に引き続き、私Sが担当している作品のご紹介です。
今回紹介するのは『暴走少女と妄想少年』。
すでにお知らせしている通り、第1回このラノ大賞からは5作品が刊行されるわけですが、
この『暴走少女と妄想少年』は、その中で一番「ライトノベルらしい」作品かと思います。
最大の魅力は、キャラクター同士の会話の楽しさ。
最近の作品だと『バカとテストと召喚獣』や『化物語』っぽい楽しさ、といえばなんとなく伝わるでしょうか。
大賞特設サイトの立ち読みでも、その楽しさの一端は感じてもらえるのではと思いますが、
短い立ち読みでは魅力のすべてを伝えきれないのもまた事実。
そこで今回のエントリでは、立ち読みとはまた別に、
特別に本文の一部を大公開!してみたいと思います。
とある事情から、ヒロイン・武瑠の家に泊まることになった主人公・善一。
けれど武瑠の姉・利美は、妹を溺愛するあまり、善一を「夜になったら豹変する狼」扱いして
なかなか首を縦に振ろうとしない。
「だったら手錠でもつければいいじゃないか」という武瑠に対して、利美は――
とまあ、万事がこんな感じで進んでいき、飽きるということがありません。
このおもしろさはなかなか理屈で説明できるものではないので、
ぜひぜひ手に取って読んでほしいところです。
ついでにキャラクターの話も少し。
ヒロインの武瑠は、誰もが認める絶世の美少女で、
高校受験時も点数がトップだったという才媛。
一見完璧超人の彼女ですが、とにかく口が悪く、気に入らない相手には容赦なく蹴りを繰り出します。
外見は完璧だが中身はアレな武瑠は、最近流行りの(?)残念系ヒロインの一人といえるかもしれません。
けれどそれに輪をかけて特徴的なのが、主人公の善一。
一見普通の高校生な善一ですが、実はたぐいまれなる妄想力の持ち主。
ちょっとしたきっかけで妄想の世界に入り込んでは、現実と妄想の区別がつかなくなることもしばしば。
たとえばこんな感じ。
こんな善一の妄想と、武瑠の暴走が合わさったとき、一体どんなことが起こるのか。
ぜひ、本編を楽しみにしていただければと思います。
著者の木野さんは「書きたいテーマとかあります?」と尋ねたときに
「コメディです」と即答するくらい、コメディに思い入れがある方です。
ラブコメの挿絵を描くのが夢だった、というコバシコさんとは、
ともに新人ながらいいコンビだと思います。
フレッシュな魅力あふれる、第1回このラノ大賞優秀賞受賞作『暴走少女と妄想少年』。
ぜひ発売日の9月10日を、のどをとんとん叩いて宇宙人のまねをしつつお待ちください。
編集部Sでした。
http://konorano.jp/
http://award2010.konorano.jp/
受賞作の編集作業も一段落し、編集部もかつての落ち着きを取り戻した……かと思えばさにあらず。
ここからは、いかにして読者の皆さんに作品を手に取ってもらうかを考えていかなければいけません。
どんなにおもしろい作品でも、手に取ってもらえなければないのと同じ。
刊行まであまり時間はありませんが、一人でも多くの読者に手に取ってもらえるよう、
できる限りのことをやっていきたいと思っています。
と、珍しくかっこつけてみたところで、さっそくその「できる限りのこと」のひとつを。
先週に引き続き、私Sが担当している作品のご紹介です。
今回紹介するのは『暴走少女と妄想少年』。
すでにお知らせしている通り、第1回このラノ大賞からは5作品が刊行されるわけですが、
この『暴走少女と妄想少年』は、その中で一番「ライトノベルらしい」作品かと思います。
最大の魅力は、キャラクター同士の会話の楽しさ。
最近の作品だと『バカとテストと召喚獣』や『化物語』っぽい楽しさ、といえばなんとなく伝わるでしょうか。
大賞特設サイトの立ち読みでも、その楽しさの一端は感じてもらえるのではと思いますが、
短い立ち読みでは魅力のすべてを伝えきれないのもまた事実。
そこで今回のエントリでは、立ち読みとはまた別に、
特別に本文の一部を大公開!してみたいと思います。
とある事情から、ヒロイン・武瑠の家に泊まることになった主人公・善一。
けれど武瑠の姉・利美は、妹を溺愛するあまり、善一を「夜になったら豹変する狼」扱いして
なかなか首を縦に振ろうとしない。
「だったら手錠でもつければいいじゃないか」という武瑠に対して、利美は――
「それでも心配よ! 手を使えなくても獣は音を立てずに忍び寄って来るわ!」
「だったら足枷もつければいいだろ」
「駄目よ。それでも芋虫みたいに這い寄って来るわ!」
な、なんか……雲行きが怪しく……。
「じゃあ動けないように押入れの中に縛りつけておくとか」
「まだまだ不安よ。こっそり襖を開けて覗いてるかもしれないわ!」
「自分で外せないよう目隠しさせる」
「武瑠の可愛い寝息を聞こうと耳を澄ませてるかもしれないわ!」
「耳栓させる」
「武瑠の甘い香りを吸おうと鼻を膨らませてるかもしれないわ!」
「鼻栓」
「武瑠と同じ空気を吸おうと深呼吸してるかもしれないわ!」
「口――」
「死にますよ!」
このおもしろさはなかなか理屈で説明できるものではないので、
ぜひぜひ手に取って読んでほしいところです。
ついでにキャラクターの話も少し。
ヒロインの武瑠は、誰もが認める絶世の美少女で、
高校受験時も点数がトップだったという才媛。
一見完璧超人の彼女ですが、とにかく口が悪く、気に入らない相手には容赦なく蹴りを繰り出します。
外見は完璧だが中身はアレな武瑠は、最近流行りの(?)残念系ヒロインの一人といえるかもしれません。
けれどそれに輪をかけて特徴的なのが、主人公の善一。
一見普通の高校生な善一ですが、実はたぐいまれなる妄想力の持ち主。
ちょっとしたきっかけで妄想の世界に入り込んでは、現実と妄想の区別がつかなくなることもしばしば。
たとえばこんな感じ。
俺たち、特に武瑠が教室に入ると、やっぱり一瞬空気がしんとなってしまう。武瑠はまったく協力的じゃないし、教室の空気を気にする素振りすらない。おやつをエサにすれば多少は言うことを聞いてくれるが、それが癖になったら困る。動物の躾をする時、毎回ご褒美をやっていると、そのうち動物たちはエサをあげないと言うことを聞かなくなってしまう。だから武瑠を躾ける時もできるだけ…………できるだけ――
――武瑠を……躾?
な、何だ……この背徳的であると同時に、底の見えない果てしなく甘美なフレーズは。もしもそれがかな適うとすれば、武瑠から「ご主人様」とか言われたりするんだろうか? いや、むしろ言葉はいらないのかもしれない。「ワン」でもいいし、「ニャン」でもいい。動物耳を頭に装着させ、ぺろぺろと頬を舐めて甘えてくる武瑠――
『ははは、くすぐったいよ武瑠』
『ワンワン。ぺろぺろ』
『ほんとに武瑠は甘えん坊だなあ。そんな甘えん坊さんには肉球プニプニの刑だ。ほらほらプニプニ~プニプニ~』
『キュウ~ン』
『武瑠は可愛いなあ。でも武瑠、ワンちゃんは普段服を着てないんだよ? だから、ね? こんな邪魔な物は脱いでしまおう。いいね?』
『……ワン』
『うん、いい子だ。さあ脱ぎ脱ぎしようか』
「おい善一、何を発情期の犬みたいに荒い息をしてる?」
「……それはね、可愛い子犬が近くにいるからさ」
「どうしてそんなに血走った目をしてる?」
「……それはね、その子犬があんまりにも美味しそうだからだよ」
「その手はなんだ? 何でこっちににじり寄ってくる?」
「……それはね……お前を食べちゃうためさあああ!!」
こんな善一の妄想と、武瑠の暴走が合わさったとき、一体どんなことが起こるのか。
ぜひ、本編を楽しみにしていただければと思います。
著者の木野さんは「書きたいテーマとかあります?」と尋ねたときに
「コメディです」と即答するくらい、コメディに思い入れがある方です。
ラブコメの挿絵を描くのが夢だった、というコバシコさんとは、
ともに新人ながらいいコンビだと思います。
フレッシュな魅力あふれる、第1回このラノ大賞優秀賞受賞作『暴走少女と妄想少年』。
ぜひ発売日の9月10日を、のどをとんとん叩いて宇宙人のまねをしつつお待ちください。
編集部Sでした。
http://konorano.jp/
http://award2010.konorano.jp/
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